理学療法士 新人セラピストの悩み

身体の専門家である理学療法士のブログ!健康に悩んでいる方、新人理学療法士、学生にも読んで頂ける内容。臨床に活かせる知識を記載します

筋力維持に必要な歩行距離は? 〜自立の基準値を知ろう⑤〜

 こんにちは!理学療法士の嶋倉です!

前回は歩行速度に関して記事を書かせて頂きました。

歩行速度がどれだけあればADLを自立させる事が出来るのかご理解得られましたでしょうか?

ただ単に歩ければ良いわけではありません。歩く速度にも着目してみて下さい。

 

では今回の記事では前回に予告した通り、筋力維持に必要な歩行量に関して書かせて頂きます。

普段のリハビリの際も聞かれる事が多い質問ではないでしょうか?

退院した後はどのくらい歩けばいいですか?歩きすぎはダメですか?

こんな質問をされたことはないですか?

そんな時、あなたはどう答えを出しますか?1日1万歩?8000歩?適当に答えてしまっていませんか?そんなあなたへ今日はエビデンスのある歩行距離をお伝えします。

 

 

 

①身体機能と歩行量の関連

 

 

・歩数と大体中央部の筋断面積、大腿四頭筋ハムストリングスのピークトルク

対象者:男性中高年者(18名)

結果:歩数4000~8000歩の群と8000歩以上の群とでは大腿四頭筋ピークトルクと筋横断面積はそれぞれ優位な差はなし。しかし歩数が4000歩未満の群では優位に低下が見受けられた。

 

 

・自立した在宅生活を送っている者と老健施設入所の部分介助者の1日の歩数と6分間歩行距離について

対象者: 60~95歳の高齢女性で在宅生活もしくは施設入所している者(51名)

結果:生活自立群と介助群との判別は6分間歩行は363m1日の歩数は4542歩との結果となった。判別率は各々97.99%、92.5%だった。

 

上記2つのような研究結果が得られている。これらの2つをまとめて考えていくと、まず1日の歩行距離としては4000歩未満では筋力低下が生じるリスクが高くなる

8000歩以上では4000歩と筋力維持に差は生じない、ただ単に長距離を歩けば良いということではない。

そして実際に自立している群と介助群とで比較した際にも4000歩とは1つの指標となっている事がわかる。さらに言えば、介助群では基本的に1日の歩数は少なくなっている傾向がわかる。介助が要する事から歩行する機会が減っている事が考えられる。

介助が必要な方こそ、歩行する機会を増やし歩行距離を伸ばしていく必要がある。

 

 

また1つの資料として、健康日本21によると70際以上の高齢者の歩数目標は男性が5436歩、女性が4704歩と言われている。

 

 

記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。

このように1日の歩数量の研究はいくつか挙げられています。最低でもどのくらい歩くと筋力維持に効果的なのか、逆にどの程度の歩行量だと歩いても筋力低下が生じていしまうのか。こういった研究を元に患者様に説明することも大切だと思います。

 

歩行練習をするにあたっても同様のことが言えます。歩いたから筋力はとりあえず維持とか患者様に伝えてはいけません。患者様は私たちが思っている以上に医療従事者を信用しています。確実に結果のある知識を教えてあげて下さい。

 

次回はMMTを数値化に関して記事を紹介します。